ドクターKのきままブログ

2016年2月15日
日々成長

私たち臨床家は、変えてはいけないもの、変えていかなければいけないものの2つの考え方が必要であると私は考えています。

変えてはいけないもの、それは医院にお困りごとがあっていらした患者様に痛くない治療、わかりやすい説明、リラックスして治療を受けっていただけるおもてなしの気持ちを持って対応することだと考えています。

逆に変えていかなければならないもの、それは既存の治療に満足せず、より質の高い低侵襲で長く安定して噛める状態に回復できる治療法を学び続ける。また、より分かりやすい説明や温かい応対をレベルアップし続けるということだと考えています。

そのより質の高い治療の実現のために当院では2014年にマイクロスコープを導入しました。

マイクロスコープとは手術用顕微鏡という代物で、患者様のお口の中を顕微鏡を通して大きく拡大して治療を行う機器のことです。

microscope01.jpg

ちなみに日本でのマイクロスコープの歯科での普及率は少しずつ普及してきたといっても5%だそうです。

つまり歯科医院100件あるとマイクロスコープを導入している歯科医院はわずか5件にすぎないそうです。


マイクロスコープの導入に先立って数年前から拡大鏡(ルーペ)による診療を行ってきました。

拡大鏡とはゴーグルを通して顔に装着するタイプのいわゆる小さな顕微鏡のことです。

interview03_img01.jpg

目的はもちろん歯を大きく拡大して診療を行うためです。

拡大することによって、

・やみくもに不必要なところを削らず、最小限の侵襲で治療を行えることで自分の歯を最大限残すことにつながる

・小さな虫歯や異常を早い段階で見つけられる

・ライトがついていて目線と同軸で照らしてくれるので、見たいところが明るくしっかり見える

などなど患者様へのメリットが多い診療機器です。

マイクロスコープも同様に拡大して治療を行うことができるのでメリットも同様ですが、加えて

・状況に応じて拡大倍率をダイヤルで変えて見ることができる

・顕微鏡の方向を変えることで術者のポジションを変えずにいろいろな角度から歯を観察できる

・拡大するほどちょっとした動きでのプレが大きくなるのだが、診療室に固定式の為、ぶれにくい安定した画像が得られる

・最大倍率が拡大鏡より大きい(拡大鏡は8倍、マイクロスコープは20倍)のでより詳細に観察することができる

・画像の記録装置を組み込めるので、治療した際の画像や動画記録を撮れる→患者様に治療前後の状態を視覚的に見てもらうことができる=ご自身の歯に対する理解が深まる

などがあげられます。

ただ、拡大鏡の時もそうでしたが、手足のように使いこなせるようになるには相当な修練が必要です。

拡大鏡導入時の苦悩・・・

拡大鏡の時も導入当初の1年間は目は疲れるし、拡大視野と裸眼の切り替えになかなか慣れず、むしろ苦痛の方が多く、

「もう、止めたようか」

と思ったこともありました。

しかし、よりよい医療を提供するためには絶対必要と思い、使い続けました。

また、私は目が悪く、近視だったためそれまで眼鏡をして診療していました。

拡大鏡をつけるには眼鏡をはずす必要があります。

拡大鏡のゴーグル部分に度を入れることはできますが、ゴーグルを外すと眼鏡に付け替えるという非常に面倒な事態になっていました。

私にとっては歯科医師としての職を全うしていくために何が必要か、を考えたときに、このわずらわしい仕事環境の改善は必須事項でした。

そこで一大決心!レーシックを行うことにしました。

最新のレーシック治療を行っている医院を探し、そこで手術を受けました。

結果、0.1だった視力は1.5~2.0まで回復させることができました。

これでいちいち眼鏡と拡大鏡を付け外しするわずらわしさから解放されました。

私の使用する拡大鏡の使用遍歴ですが、倍率は2.5倍という一般的に導入している多くの歯科医療従事者が使用している倍率から始まりました。

2.5倍というのは例えば奥歯の大きさが10㎜だとすると、拡大鏡を付けて見るとそれが25mmに拡大されて見えるということです。

ちなみに裸眼で2つの点を識別できる限界は200ミクロン'(0.2㎜)と言われています。

つまりそれ以下の大きさの異常が歯にあった場合、肉眼では見つけられない、という事です。

2.5倍の拡大鏡を装着すると単純に200ミクロン÷2.5倍=80ミクロンまで識別できるようになるということです。

詰め物と歯のほんの少しの隙間や歯の欠けを発見できる可能性が飛躍的に高まります。

2.5倍を1年間使い続けてやっと拡大視野に慣れてきたところで、

「もっとしっかり大きくして精密な治療を行いたい」

と思い始めました。そこでそこからは1年ごとに倍率を4.5倍→6倍→8倍と上げていきました。

8倍は現在世界で存在する拡大鏡の中の最大倍率でこれ以上の倍率のものは存在しません。

先の識別可能域で言えば200ミクロン÷8倍=25ミクロンまで識別できるようになりますし、10㎜の歯が80㎜に大きく観察できるようになりますので、非常に精細に歯を観察することができます。

反面、ちょっと自分の頭が動いたり、診療している患者様が動くと非常に視野がぶれます。

慣れないと船酔い状態になってしまう術者もいるようです。

幸い私は1年ごとに倍率を上げていったおかげか船酔い状態に陥ることはありませんが、視野のぶれの大きさは受け入れるしかないと思って日々診療しております。

そして2014年暮れに8倍の拡大鏡にバージョンアップと同じ時期にマイクロスコープを導入した次第です。

マイクロスコープはまだ全ての診療に使用する、というところまでは至っていませんが、修練を重ねながら少しずつ診療への適用機会を増やしていき、より質の高い診療の実現を図っていきたいと思います。

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